2017年09月 ミョウガ

 昼間は、夏のような暑さを感じこともあるが、風が吹けば、日陰に入れば涼しい。昼間はまだセミが鳴いているが、夕方からは、庭の虫が、鳴き始める。すっかり秋らしくなってきた! 

 今の自宅には、中学3年生の春に引っ越してきたから44年の歳月が流れる。(途中、長野県塩尻市、下諏訪町、ドイツのフランクフルト市に滞在していたが)庭の手入れは、元々父の仕事。私はそれを継いだが、簡単ではない。久しぶりに庭の手入れをしてもらった際に、「ミョウガ」を見つけてくれた。

 「ミョウガ」といえば、私が幼稚園の頃、新宿区東五軒町という父の会社の庭付き一軒家の社宅にいた。東京オリンピックのブルーインパルスが空に描いた五輪を社宅の前から見たことを思い出す。そこに住んでいた時の思い出として、夕方の支度の頃になると、「さとる、庭からミョウガ採ってきて」と母に言われたことを覚えている。ミョウガの味噌汁は、子どもの頃からの定番あった。今になれば、それは秋だったのだと気付く。その後、地方の旅館などで、ミョウガの味噌汁、ミョウガの付け合わせなどが出てくると、子どもの頃の社宅での母の言葉を思い出す。

 ミョウガ、普段あまり深く考えたことがなかったが、「薬味」である。
調べてみると、「ミョウガは、ショウガ科ショウガ属の多年草。」ビタミンやミネラルがバランスよく含まれ、美肌効果、高血圧予防もできるという健康にいい食材。また香成分の「α―ピネン」は、頭をすっきりさせ、眠気を吹き飛ばす、神経の興奮を沈めてストレスを和らげる働きを持つ。と。血液循環を良くし、消化促進、発汗を促したい内の熱を外へ出し、汗と一緒に余分なものを出す解毒効果。辛み成分には、口内炎やのどの痛みに有効な成分を含む。・・・となんだかいいことばかり。毎年、庭から採って、食べていればよかった~!!

 食事の中で、さりげなく添えられる薬味、実は、昔からいろいろな効果を考えて、添えられていることがわかる。昨今の日本の食の乱れを改善したいと取り組むシェフに出会った。「うまみ(UMAMI)」に薬味(スパイス)を加える。昔から言われている「医食同源」といわれる食の基本コンセプトを考える上で、必要不可欠な存在であることを教えていただいた。

 昔は、成分分析などできる技術も発達していない時代。人間の感性が、より研ぎ澄まされていたのであろうか? 自分の体を守る、子孫を残してゆくことに大切な「食」というものに、最大限の注意を払ってとりいれていた人の知恵というものを改めて見直すべきではないであろうか?

 東日本大震災での津波の被害も、歴史をたどれば、日頃世克からは、隠れたところに、過去の災害の教訓を残した碑が立つ。実際、岩手県にある大槌町の流された「浪板海岸駅」から数メートル脇にある碑には、「ここまで津波が来た。高台に逃げろ。」といった教訓が刻まれている。実際は、その位置から海に向かって、ホテル&住宅も建っていたようで、結果は、多くが流された。

 自然災害では、被害が顕著であるが、食は、人間の体を形成してゆく日々の積み重ね。日頃の食の乱れが何十年をかけて、子ども孫に遺伝して、人間を蝕んでゆく。これは、何とかしなくてはいけない!!と感じるのは私だけであろうか? 最近のニュースで、いろいろな事情があるだろが「まずい給食」のニュースが流れた。コンビニ&スーパーの賞味期限切れ食材を廃棄せずに、動物園の餌として有効活用したら、動物が生活習慣病になってしまった。不安な話題が数えきれない。自分が子供を持った時は、余裕もなく気づかなかったのかもしれない。しかしいろいろ学ぶ中、孫を持った現在、食の安全&大切さを伝えてゆく義務があるのではないかと感じるのは私だけであろうか?まずは、コンビニ弁当に頼らない体づくり。これでだけ普及した世の中、どこまで安全に食事ができるのであろうか?

平成29年9月吉日
悟空の里主人 金森 悟

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