2009年10月 近い未来へ

 先日、「東海リニア新幹線」が、2025年に東京-名古屋間、2045年に東京-大阪間の開業を目指すと発表した。遠い将来?近い将来?? 開業時には、自分は、それぞれ67歳、87歳になっている。先の東京オリンピック招致は、2016年であった。落選して、次に2020年の立候補をするか??そのときは、62歳。振り返れば、2006年であったろうか?あるスポーツの協会として、2016年のオリンピック招致候補地を東京か福岡、どちらを推薦するかの会議の様子を聞いたことがある。結果、「東京」を推薦することとなったそうだが、出席していた幹部の年齢は70歳前後。「そのころ、自分は、生きているか分からないし、今のポジションでの仕事はしていない・・。」という冗談とも言えない意見が出ていたとか。さらに振り返って1987年、前職で、毎月香港へ通う仕事をしていた。地元のホテルの営業から「1997年の香港の中国返還の歴史的瞬間を香港のホテルで!」という予約の勧誘があったのを思い出す。当時の社長は、まあ記念だから!と予約をし、10年後、元気でそのときを迎えられた。

 遠い将来は分からない。しかし、確実に世の中の色々な事が進んでいく。昔、「10年は一昔」といったが、5年くらいで世の中が、様変わりするような出来事も頻繁に起こる。
1982年、私が就職した頃は、青焼きコピー、ワープロ専用機、テレックスを使い仕事をしていた。香港へ出張したときは、「虎屋のようかん」のような大きさ&重さの携帯電話が、最先端で、かっこよく、感動するくらいのものであった。その後、10年くらいで、ノートパソコンが普及し始め、携帯電話は、ポケットサイズとなった。 これだけの大きな変化は、誰が考え、誰が動かしているのだろうか?と不思議に思うことがある。

 「鉄腕アトム」は、手塚治虫が1951年にSF漫画として世に出したもので、アトムの誕生日は、52年後の200347日。1969年から始まった「ドラえもん」は、22世紀から来たロボットで、のび太の誕生日は、196487日、のび太としずかちゃんが結婚したのは、2002年の設定。近い将来何が起こるか分からない。しかし、手塚治虫さんの考えた未来、2003年には、ホンダ・ソニーから自動歩行ロボットが開発され、世に出てきた。まさに夢の実現!!現実味を帯びた構想には、驚くばかりである。「ミッション・インポッシブルⅢ」(トム・クルーズ主演)の中でも、犯人を追う先端技術が、あれやこれやと紹介される。夢というよりも、数年先には、こんなことになるか、密かに何処かで使われているのであろうと痛感しながら、映画を楽しんだ。医学の分野で注目されているのは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)。高校の同級生でもある慶應義塾大学の岡野栄之教授はその研究をする一人である。再生医療だけではなく、新しい医学分野の開拓も期待されている。
マンガ・映画の世界だけではなく、医学、科学、あらゆる分野で、10年、20年・・・50年後の実現に向けて日々、研究され、進んでいるものが数え切れないくらいあるのであろう。実現するそのときには、その人は生きていないかもしれない。しかし、それを夢見て、日々取り組むというテーマが多くあることに、深い感慨がある。

 一方で、将来を見るという点から、過去を振り返って見る。先日、皇居東御苑を訪れた。天守台の上に立ち、考えたことは、徳川家康は、1603324日に江戸城を築き、264年後の1867119日(徳川慶喜)の江戸城開城は、想像もできなかったであろう。

先を読む。近い将来の夢を見、実現に向けて、一歩を踏み出す。それは、自分が生きている世界、または子供たちが大人になって生活する世界・・・。いずれにしても必ず起こりえる事象と考えれば、自分の今の一歩が、非常に大切であることを感じる。みなさんも、近い将来へ向かって、今日から身近な第一歩を踏み出してみませんか??・・・そう!今考えたその一歩ですよ!!

平成2110月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2009年9月 自分のポジション ●2009年8月 重粒子線治療
●2009年7月 土いじり ●2009年6月 端を知る
●2009年5月 次への力 ●2009年4月 引き合わせ