2009年08月 重粒子線治療

この言葉をお聞きになられた方がいらっしゃるであろうか?

「重粒子線がん治療」は、厚生労働省が認定した最先端の医療技術(200941日現在105種類が登録)のひとつ。

主に固形ガンを対象とした最先端放射線治療の一種で、従来のX線やガンマー線を使った治療ではなく、炭素の原子核を光の速さの84%まで加速し、ガン患部に照射する。周囲の正常細胞を傷つけることなく、ガン患部へピンポイントで照射を可能にする画期的な技術である。しかし、巨大な施設が必要で、現在日本国内では、千葉県と兵庫県の二ヶ所にしかない。(三番目の群馬大学は、2010年から治療が可能に。)

現在の生命保険の仕事をより深く理解し、自分が担当するお客様への最新の情報提供ができるようにと仲間で勉強会を行っているが、そのひとつとして千葉市稲毛区にある「独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院」(http://www.nirs.go.jp/hospital/index.shtml)を見学した。年間治療実施件数は、634件。一件あたりの技術料費用は、約308万円(200941日現在)。これは自己負担である。

重粒子線の照射自体は、数分であるが、体がずれないための型作りと体の固定作業にかなりの時間を要するとのこと。何のガンでも対象となるかというと、いくつかの制限がある。この照射を受ける前にX線などの放射線治療をされていないこと。胃や腸などの動く臓器への照射が難しいことなど。いくつかの症例(肺、肝臓、前立腺、子宮、頭頸部、骨など)を拝見したが、見事にがんが消滅している。治療のステップとして、がん腫瘍の大きさ形を三次元的に確認し、その場所以外に照射されないように、鋳型のようなものを作成する。重粒子線の照射口近くに、この型をはめ込んで、患部の大きさ&深さへ正確に照射する。肺ガンや肝臓ガンではたった1回の治療で完了する試みも行われている。今後は、「ペンシルビーム」という技術で、患部を消しゴムで消すように照射する技術が確立できているとのこと。益々、治療の正確性&確実性が上がってくるようだ。さらには、現在対象外とされている患部の治療も可能になるような技術も研究中とか。今後の技術開発と普及、さらには受診しやすく価格が安くなることを期待したいところである。

基本的には、医師からの紹介での来院者が多いが、直接のお問い合わせにもご相談に乗っていただけるとのこと。

<連絡先> 放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院 事務課・相談窓口

042-284-8852 (受付時間: 9:3012:3013:1515:15

今月16日で、51本の年輪を刻んだ。人生の折り返し地点を過ぎた。上記のような治療方法が開発され、いずれはガンも治る病気のひとつになる時代が来るのであろう。現代社会では、生活習慣病と同時に高齢化による体の変化がある。同居する82歳の父親と75歳の母親を見ていると、内臓は丈夫であったが、足腰の骨に異常がでて、神経を圧迫して痛みに。整形術も年齢への限界があるのか、術後の不具合もある。痛み止めだけのブロック注射だけでは、異常を治したわけでもなく・・・。高齢になれば、心臓などの臓器機能も弱くなってくる。車に例えれば、ボディ足回りは問題なくても、エンジンに問題があったり、またエンジンは絶好調でも、サスペンション・電気系統の不具合があったり・・・。いずれにしても安全な走行ができなくなる。長く乗り続けるには、定期点検と消耗品の部品交換が必要であり、程よく動かし続けることの大切さも!

みなさんは、会社・自治体の健康診断を受診されてますか?ご家族の健診をうっかりされておられる方も多いです。人間も定期点検が必要です。TVのコマーシャルで、広末涼子の「がんばりすぎるから心配・・!」とのメッセージがありましたが、ちょっとした変化を感じたら、必ず安心マークをいただきに受診するように心がけましょうね! 最近、45歳の仲間が他界しました。

平成218月吉日
悟空の里主人 金森 悟

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●2009年3月 奇跡の出会い ●2009年2月 正しいものの見方とは?