2009年04月 引き合わせ
先月から訃報が続いた。猛暑、極寒の時期よりも、季節の変わり目の季候が緩む時期に増える傾向がある。と葬儀屋さんが話していたことを思い出す。
先週は、54歳の女性、60歳の男性のご葬儀に伺った。まだまだお若く、これからの人生を楽しまれるお歳。残念である。前回触れた50歳の同期の女性の訃報もそうであったが、しばらくお目にかかっていない方々との再会の場となった。振り返れば、中学時代の恩師のご葬儀で、20年ぶりくらいに再会し、お付き合いを再開した先輩がいる。自分の人生は、その先輩との出会いが無ければ、全く違ったものであった。ただし、ご本人は全く知るよしも無い。再会して、一献傾けながら、昔話をし、感謝の意を伝えた。「先生が、引き合わせてくれたのでしょうね~!」と皆で剣道に打ち込んでいたころの話題で盛り上がる。先月も触れたように、自分にとって、出会った人は、遠く離れていても、亡くなられても、心の中では永遠に生き続けていると考えている。この世に生まれ、奇跡に近い出会いと、お付き合いのひと時を通して、いつも必ず何処かでつながっている。と思うのは多くの方も賛同いただけるのではないであろうか。実際は、日々の生活に忙殺され、思い出すことも無く、1週間、1ヵ月、1年、10年と、あっという間に時が過ぎ去ってしまう。
わざわざ予定をずらしてまで、会うことが無ければ、結果そのままとなってしまう。
ところが結婚式、ご葬儀となると、話は違い、何とか都合をつけてでもはせ参じることになる。歳を重ねるに連れ、共通な趣味を通じたお付き合いが中心となり、年齢を超えて1年のうち何度もお目にかかる方もいる。テニスなどの運動の後に、食事をしながら語り合うことも少なくない。今の年齢となると、友人の結婚式は、ほとんどなくなり、自分の年齢と同じくらいか年上の方とのお付き合いが格段に増えている。どうしても「喪」の行事が多くなってゆくのであろう。仕事柄、入院された方、お亡くなりになった方のご遺族と接する機会がある。入院されると、弱い自分を見せたくないと、面会しないようにお互いが気を遣うこともあるようだ。しかし、そんなときもぜひお互い時間を作って、じっくり話をし、励ましあえる良い機会にできないのであろうか?
この二ヶ月の訃報続きを振り返り、「いつかまた会いましょう。」、「いつかまた会えるでしょう。」という考えを改めて、なかなかできないことかもしれないが、何故かふっと思いついた&顔に浮かんだ友人には、何の用件が無くとも、すみやかに連絡を取ってみようと思った。いつも心の中で、永遠に生きつづけるとはいうものの、出会った人との再会が、遺影であることは、やはり心残りである。名前、顔が浮かんだ偶然は、何かの始まりかもしれないし、後から分かる意味が隠されているのかもしれない。
暖かくなり、活動しやすい季節となりました。一人で過ごす時間も大切ですが、合間を縫って、一人でも多くの方と語り合いませんか!
平成21年4月吉日
悟空の里主人 金森 悟
●2009年3月 奇跡の出会い ●2009年2月 正しいものの見方とは?
●2009.1 気づいていない自分を探して! ●2008.12 会いに赴く
●2008.11 元号・慶應 ●2008.10 実態の認識を!