2009年02月 正しいものの見方とは?
先日ある勉強会に出かけた。
「GDP(国内総生産)の規模をご存知ですか?」との質問があった。昔学校では習ったが、恥ずかしながら、社会人としてその数字を把握していなかったが、改めて興味を持ち、インターネットで検索してみた。(便利な物である!)調べているうちに、他国のことも気になる。統計には、IMF(世界通貨基金)発表から、世界銀行、CIA(アメリカ中央情報局:https://www.cia.gov/)のものがあった。あえてCIAのデータ(The 2008 World Factbook)を紹介すると、世界全体のGDPは、78.36兆US$。内EU:18.93兆US$。国別では、1位:アメリカ・14.3、2位:日本・4.8、3位:中国・4.2、4位:ドイツ・3.8、5位:フランス、6位:英国、7位:イタリア・・・と続く。中国は、2007年のIMFの統計と比較すると、ドイツを追い抜き3位に躍進した。一方、日本国内で発表されている日本のGDPは、名目515兆円、実質561兆円。為替などの影響のずれか、基準は定かではない。
そうか、世界の中で、日本は、こんな位置にあるのか!!と改めて実感した。
「アメリカ国債を日本がどれだけ買っているか?」・・・これも知らない。
アメリカの国債(Treasury securities:国庫証券)の総発行額は、2008年9月度で、約3兆US$。2008年3月度まで、日本は、ダントツで2004年代の7000億US$(全体の約40%)をピークに2008年9月度で6000億弱(同20%)。2008年9月度で、初めて中国に抜かれ2番手となった。3番目が、イギリスで4000億弱。この数字が、アメリカへの発言力となるのだと聞いて、すごく納得する。(2003年以降、イラク戦争に突入するアメリカが、7ヶ月で5000億US$を増刷。2003年は、発行総額1.2-1.3兆US$。2004-2008の4年間で約倍増したこととなる。)
なるほど、「日本がアメリカ国債を買わないとたいへんなことになる。」とは、このことか!!
「財政赤字は・・・?」
日本の平成21年度の一般会計概算要求額は、86兆円。(平成20年度:約83兆円)これに対して財政赤字(対GDP:CIAのデータ)は2005年をピークに、2008年:170.4%(1994年:約80%)。ジンバブエ、レバノンに継ぐ、下から3番目。4番目はジャマイカ。(コソボ除)アメリカは、60.8%。中国は、15.7%。先進諸国の中では、ダントツ悪い数字である!!
この数字は、どう見たら良いのか、私には、まだ理解できない。
ふ~っ!!と、ちょっと勉強した気分に!
新聞・テレビの情報から世界の動きをある程度理解しているつもりであったが、実際は知らないことばかり。今回の数字は、自分でも初めて調べたと思う。
このような統計の数字の取り扱いを見ていると日本のマスコミは、どこまで正確に物事を捉え、伝え、我々が取捨選択できているかが非常に不安になった。「金融危機」といわれ、各企業のマイナスの業績発表、人員削減の話題が紙面を躍らせている。学生時代、労働経済学の島田晴雄教授が、「失業率の数字に、パートのおばさんがはいっていない。アメリカとは、統計の取り方が違い、日本の実際の数字は、もっと悪い。」といった言葉を思い出した。また人員削減の数字に、自然退職(契約期間満了。定年制など)の人数が含まれていたり、数字の見方は、思ったものとかなり違う。自分も前職広報時代、マスコミに発表している数字と実態は、目的によってかなり操作されていたことも思い出す。真実を表す数字は、何を信じれば良いか???
ちょうどケーブルテレビで「スパイゲーム」というCIAを舞台にした映画を見た。世界にネットワークを張り巡らせて、入手した正確な情報を国家機密として、外交、経済、軍事など国力の駆け引きの判断材料として使う。我々とは次元が違いすぎるのかもしれないが、不安だけを煽るような新聞・テレビの報道に踊らされない真実に近い現実を見る・知る習慣ができないものであろうか? 活字は、あくまでもひとつの見方であって、それがすべてではないことを改めて思い直した。みなさんもマスコミからの情報だけでなく、現場に携わる人の生の話や自分の目で見た情報と、照らし合わせてみることを心がけてみませんか? ちょっと違う世界が、見えてくるかもしれません。
<心配事> CIAのWeb siteを連日1時間以上にわたり、日本からアクセスした私は、怪しく思われたであろうか??・・・スパイ映画の見すぎ??(笑)
平成21年2月吉日
悟空の里主人 金森 悟
●2009.1 気づいていない自分を探して! ●2008.12 会いに赴く
●2008.11 元号・慶應 ●2008.10 実態の認識を!
●2008.9 一期一会 ●2008.8 50年健康長生きプロジェクト