2015年05月 世代の移り変わり

 この一か月、我が息子に孫娘が生まれ、孫二人となった。そして五月の連休があり、地方に赴任している友人も東京に戻っていたり、久しぶりのイベントなどがあったり、懐かしい旧友家族との再会があった。学生時代からのお付き合いを始め、結婚して、子供が生まれ、幼少の頃から家族ぐるみで食事をしたり、出かけたりしてきた仲間である。今回の再会は、その子供たちが、すでに結婚し、子供連れでの登場である。目の前で、小さな子供同士が仲良く遊びまわっている。はしゃぎすぎて、けがをしないか?など、心配をしながら見守っている様子。自分たちがやっていたことをその当時の子供たちが親になって繰り返されている。これは、約20年の歳月が経過したのだと、とっても感慨深い光景であった。世代とは、このように繰り返され、どんどん変わっていくものなのであると。

 一昨年、両親が旅立ち、墓参りに行くのであるが、そこで感じたことは、「次にこの墓に入るのは自分の番である。」ということであった。(自分の予定では、まだまだ先の話であるが)、年齢の順番からすれば、順当な線であろう。親になり、子育てで苦労しながら考えることが多々あった。その後、子供が結婚しても形を変えながらも、親として、子供のことを心配することはまだまだ続いている。自分の親も同じように感じていたのであろうか?親であったら、どんな判断をしたであろうか?そして親になった自分の子供たちは、どのように考えているのであろうか? 自分の子供が幼い時は、夢中で、はしゃぎまわりながら遊んでいる様子は危なくて心配で仕方がなかった。そしてさらには、子育てをしているその子供たちの様子を見ていても、危なくて仕方がない。と思う瞬間に遭遇する。口出し、手出しはしないように心掛けるが、どこかで「うるさい!」思われることを言っているのであろう。これも繰り返しているに違いない。

 先日、NHKの「明治神宮 不思議の森 ~100年の大実験~」の番組を見た。人工的に作られた森であるが、100年、150年後を想定して植樹、伐採など、基本的には人の手は入れないという森を守るルールが決められていたという。この森は、大正9年(1920年)の明治神宮創建に合わせて、日本全国から10万本の樹木を5名年がかりで植林した。その道の専門家を集め、「永遠に続く究極の森」を作るという壮大な理想を目指したという。この番組では、この森の調査をして、東京で絶滅したと思われていた希少生物が発見されたという。発見された生物は哺乳類のタヌキや猛禽のオオタカ、昆虫や粘菌まで実に約2800種類以上であった。と報告されていた。番組の中、枯れた倒木は、そのまま放置され、いずれは土に返る。倒木は、朽ち、苔が生えたり、その腐りかけた木を土壌にし、新しい芽が吹き始めてきたり。この自然の循環、新旧世代の交代により、長い歴史を刻んできた様子を映し出した。

 森に人間のような気持ちや、親子関係はないかもしれないが、世代の移り変わり、そして長い年月をかけて受け継がれ、変わるもの、変わらないもの、守られていくものは、似ているところがあるのではないかと感じた。自然の摂理、「新しい芽が出て花を咲かせるためには、まずは咲いた花が散らなければならない。」そんなコメントをかなり昔に聞いた記憶がある。それでは、古い世代は、朽ちていくという寿命をそのまま受け入れていかなければいけないのだろうか? ある桜守の話を聞いたことがある。「桜の寿命は60年」という説がるという。しかし青森県弘前市の弘前公園には、寿命120年のソメイヨシノが現役で頑張っているという。「桜折るバカ、梅切らぬバカ」ということわざがあり、桜は、傷つけたところから腐りやすいと、あまり手入れしないほうがいいという認識であったそうだ。その結果、桜は弱り、寿命を迎えてしまう場合があるらしい。簡単には、手入れ、メンテナンス次第ということではないであろうか? 人間と共通しているところがあるのだと思う。

 人生80歳代という昨今、今後は、食生活、生活環境悪化により、寿命が短くなるとの話も聞かれる。しかし、日頃の健康管理、メンテナンス次第では、桜の寿命の概念を超えた世界があると信じたい。さて、みなさんは、食事や生活環境に気をかけ、暮らしていきませんか? まだまだ元気で長生きしましょう!!

平成27年5月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2015年04月 いただきます!
●2014年03月 現在と時代の差異
●2015年02月 北陸新幹線
●2015年01月 相続税および贈与税の税制改正がありました。
●2014年12月 写真を撮る
●2014年11月 苔生す