2015年01月 相続税および贈与税の税制改正がありました。

新しい年をどのように迎えられたでしょうか?

お正月、東京はお天気も良く、済みきった青空を拝むことができました。年末から息子夫婦が泊まり、2日には、娘家族が泊まりにきました。それぞれ、近くにある両親のお墓へお参りに。両親とともに過ごすのが当然であった年明けでありましたが、旅立ってから、2度目のお正月を迎えることに。

今月から相続税および贈与税の税制改正があった。相続税の計算の際、相続財産から差し引くことができる控除金額(基礎控除など)の変更である。これによって、「今まで課税されなかったであろう人たちにも、相続税の支払いが発生する可能性が出てきた。」と、生命保険業界、不動産業界など、ビジネスチャンスとしてとらえて色々な提案を始めてきている。時を同じくして、いくつかの相談事があった。

  • 両親と兄弟がいない方の保険金など財産は、誰にいくのか?
  • 子供のいないご夫婦で、二人が亡くなってしまったら、財産は誰が受け継ぐのか?
  • 祖母は痴呆で介護施設に入り、二世帯住宅に住む不仲な兄弟。ひとりしかいない三世代目の子供が、どのように相続に巻き込まれるのか?
  • 早くにご主人を亡くされお子様二人。一人は嫁ぎ、一人は未婚。財産は自宅のみの場合、分配方法は?
  • ご主人が病に倒れ、成人した二人のお子様と奥様。財産は直系の子供には分けたいが、結婚した配偶者には、渡したくない。
  • 会社経営をされ、オーナーが病に倒れ、経営の手伝いをしてきた奥様と複数の子供たちは、これから誰が舵を取り、どのように経営を委ねてゆくのか?

・・・などなど

家庭事情、兄弟の仲、親族間の関係などにより、さまざまな展開が想定される。過去にも、色々な事例があったであろう。ことお金のことになると、人が変わり、仲が急に悪くなるケースも多いようだ。一般的に「相続は、争続」といわれるくらい、財産分配でもめるケースが多いようだ。財産は、自宅一軒しかないご家庭に、複数の相続人がいた場合、どうしたらいいのだろうか? 配偶者が先立たれ一人暮らし、また未婚で一人暮らしで、かなり年齢も高くなっている方。さて、最期を看取り、葬儀からお墓の手配、納骨、その後の供養など、誰が段取りして、見守っていってくれるのか?親族がいない人の財産分与はどうなるのか?

冒頭の税制改正により、上記のような心配事が、週刊誌などでも多く取り上げられ、人々の関心も高まり、従来、相続税にはご縁がなかったと思われていたご家庭でも、考えなくてはいけない状況が、クローズアップされてきている。しかし、個々の家庭の個別事情からすれば、共通点のある家族以外は、ほとんど参考にならないかもしれない。日頃、慣れない分野については、インターネットで検索もできる。しかし、現実的な個別案件には、テレビドラマに出てくるような、お金に絡む複雑な人間関係&思惑などがぶつかり合い、スムーズに進まないケースも多いようである。

年が新しくなり、税制改正により、身近になった相続税&贈与税について、ひとつ関心も持たれてはいかがであろうか?まずは聞きかじりからでも、必ず役に立ち、活かせる知識になること間違えなしである。
みささん、本年もよろしくお願いいたします。

平成27年1月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2014年12月 写真を撮る
●2014年11月 苔生す
●2014年10月 断捨離
●2014年09月 高齢化社会
●2014年08月 誕生日
●2014年07月 守る