2014年12月 写真を撮る

カメラ付き携帯電話を持つようになって、かれこれ10年以上であろうか? その後、携帯電話機能の進化と、コミュニケーションの進化が合わさり、ブログというものを始め、最近では、メールに加えて、Facebookというものでコミュニケーションをとる機会が増えてきている。当初、携帯電話にカメラがついても、使うことはなく、邪魔。といったイメージがあった。しかし、デジカメに近い解像度で、写真を撮ることができるにつれて大きく変化してきた。

そもそも自分にとって、カメラは、どこかに出かける際に、持ち出すもので、普段から持ち歩く習慣はなかった。前職で、海外出張の際は、カメラを持参し、移動の合間を縫って、観光地を訪れ、写真を撮っていた。1-2週間の出張では、フィルム10本くらいを持って行き、足りなければ現地調達。帰宅し、写真屋さんで現像&プリントして、アルバムに貼る。出張ごとに、アルバムが一冊増えてゆく。といった感じであった。デジタルカメラになって、気軽に写真を撮り、不要なものは消せるという環境になった。アルバムに貼る枚数は減った。しかしデジカメとパソコンが進化するにつれて、写真は撮るものの、プリントをしなくなり、パソコン上で見て、保存しておく。といった行動に移行してしまった。従って、それ以降のアルバムというのは、ほとんどなく、家族&友人と見せ合って、写真を見ながらその状況を楽しむという機会が消えてしまった。また写真の管理は、アルバムからパソコン上でのデータ管理に変わってしまった。例えば毎年のお正月の写真を一つにファイルにまとめて、その中から「2013年お正月、初詣の写真ファイル」を探すという検索はしやすくなった。撮った写真の楽しみ方というのが、どんどん変化してきていると思う。

自分にとって、写真を撮るというのは、その時点の記録にしか過ぎなかった。そして、プリントすることで、複数の人間と共有しながら、見て楽しむといった目的であった。ところがある日、写真家の友人と話す中で、「写真は、目で見るのと違う世界を表現することができる。」という話題になった。たとえば、望遠(肉眼では見にくい対象をいかにも手元に近いものとして写すことができる。)、接写(花のおしべ&めしべなど普段では、見過ごしてしまいそうな対象にフォーカスを当てる)など、色々と工夫をすることができる。ただ、今までは、それを自分で撮ってみようとする機会はなかった。

さらには、自分の撮った写真を友人に見せて、観光などへ行った際の現地の話題などへ発展することはあっても、写真そのものについてコメントされることは全くなかった。ところが、Facebookなどで写真を掲載するようになると、写真にコメントをくれる人が出てくる。そうなると、写真を撮るときに、ちょっと何か工夫をしてみようか?と、考えるようになってきた。そこで、写真家の方の言葉がヒントとなり、考えてシャッターを押すようになった自分がいる。しかしなかなか難しい。ついつい風景写真、食べ物の写真で終わってしまう。食べ物の写真を撮るときは、いかにおいしそうに見えるかなど工夫するのに、撮る角度を変えてみたり、近づいて(接写)みたり、ちょっと写真家気取りで、一つの写真に、あれやこれやパターンを変えて、撮るようにしている。これはこれで、他人から評価&コメントいただくことも面白くなってきた。現実は、いい写真ですね!と言われることはほとんどないので、まあ自己満足、修行中など、いろいろな理由をつけている。しかし、ファインダーを通して、または携帯画面を通してみる世界は、肉眼で見るのとかなり違うことも同時に感じる。本格的に写真を撮る予定はないが、毎日の行動の中で、自分が感動した、楽しかったもの、場所、風景など、それらを写真で押さえること、共有できることは面白い。またそれを目で見えないカメラだからできること。をテーマに、工夫をするのも楽しくなってきた。

これだけ一般的に携帯電話の機能としてついてしまったデジカメ、ぜひとも積極的に活用する楽しさを試してみてはいかがでしょうか?そこで、単にシャッターを押すだけではなく、写真の構成、光の具合など、目では見ることができないシーンを狙ってみるのも楽しいものです。
年末年始にかけて、おでかけになることも多くなると思います。ぜひお試しください。
改めまして、今年も一年お付き合いいただきありがとうございました。よいお年をお迎えいただき、素敵な羊の年を過ごしたいものです。

平成26年12月
悟空の里主人 金森 悟

●2014年11月 苔生す
●2014年10月 断捨離
●2014年09月 高齢化社会
●2014年08月 誕生日
●2014年07月 守る
●2014年06月 歴史を知ること