2012年07月 夢中になれること

 純粋に、子どものように夢中になることの素晴らしさを追求されている方のお話を伺う機会があった。自分が今まで夢中になれたものは何なのかを改めて振り返るきっかけになり、今からでも何かに夢中になれるかを考えてみたいとも思った!!
 「山口吉彦」さん(アマゾン研究家)が、個人で、約40年にわたり現地へ出向き、集めてきた世界的に見ても貴重な約3万点のコレクション。展示されている一部を拝見し、アマゾンでの出来事を伺う機会に恵まれた。これらは、「アマゾン民族館」(山形県鶴岡市:http://www.tsuruokakanko.com/cate/p0016.html)、「アマゾン自然館」(山形県旧朝日村:http://www.gassanasahi-hakubutsumura.co.jp/amazon/amazontop.html)に展示されている。一人の人間が、私財を投じて、ここまでのめりこめた意志の強さは何であったのであろうか? 現在70歳。まだまだその目の輝きは衰えない。(この宝物は、多くの人々の支援&協力により展示&保存されてきたが、財政事情を背景に、2014年には閉館され、散逸の危機に面しているという。国を挙げても、この危機を乗り越えなくてはいけないと、専門家たちは、口をそろえて残念がる。)
 「福岡伸一」先生(分子生物学者)。昆虫少年であった小学生高学年の時に、昆虫学者に、顕微鏡にも出会った。そこから顕微鏡の歴史に興味を持ち、オランダの「デルフト」という町に住む顕微鏡の発明者「アントニ・レーウンフック」を知る。興味は、その町へと広がり、同時期に住んでいた画家「ヨハネス・フェルメール」を知ることとなる。現在では、「フェルメール・センター銀座(http://www.vermeer-center-ginza.com/
の監修もされている。研究の中、「絵が下手であったレーウンフックの顕微鏡での研究模写は、フェルメールが書いたものではないか?」という仮説を展開する。この糸をたどるような興味の広がりと行動力と展開。一瞬のうちに感動した自分がいた。
 このおふたりを通して、「夢中になることは、大きくふたつの展開がある。」ということに気付いた。
① 一つのテーマにとことん集中すること。② 一つのことをきっかけに、関連性あるものへの広がり、発見を見出す可能性を掘り起こしてゆくこと。 があるのではないか?と。
 さて、自分に置き換えてみる。来月で生まれて54年。さて、今まで何に夢中になってきたのか?
小学校低学年は野球部。(転校で止め)小学校高学年は園芸部。中学は剣道部。高校は器械体操部をかじって水泳部。大学は庭球部(テニス部)。仕事は、「腕時計」商品企画&海外営業を約10年、広報部3年。現在の生命保険営業18年。ボーイスカウト歴46年(間約10年ブランク)、テニス36年、結婚歴29年(一回)、子育て歴25年、ロータリークラブ在籍10年、・・・・。さて、何に夢中になれたのであろうか? 振り返ると、形に残せたものは身近にない。「人生、夢中になってきたことなんてなかったのではないか??」とも思う。今まで考えたことはなかったが、改めて振り返ってみると、一環していることが、ひとつだけ見えてきた。それは一言でいえば「多くの人に出会うこと。」福岡先生のように、ひとつのことを通して色々な分野へ興味が広がるように、色々なご縁があって、ひとりの人間を通じて、未知の分野の方々と知り合い、自分の興味も広がる。そしてさらには、それぞれの方が、社会的にもより成長されると同時に、そのネットワークがどんどん大きくなってゆく。これは、私が夢中になってきたという意識は全くなかったが、色々なことをやりこなす中、ほとんどのケースで、最優先事項で自分がとってきた行動パターンであったのではないであろうか? 
 さてそれで何が残ったのであろうか? 形として残せたものはあまりないのであろう。自己満足のみで終わってしまうのかもしれない。まあそれでもいいでしょう! この文章を読んでくださっている多くの皆様と出会い、交流できたことは、私の人生の宝です。これからもずっと大切に、より磨き上げ、より広げてゆきたい。みなさんの交流の潤滑油というか、そんな存在であれば本望と思い返すきっかけにもなった。
さて、皆さん、この夏いかがお過ごしですか?一瞬でも夢中になれたものが何かを思い起こし、また新たに手をつけてみませんか? 

平成24年7月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2012年06月 みだしなみ?
●2012年05月 人のやる気
●2012年04月 次のステージへ!
●2012年03月 歳を重ねること
●2012年02月 捨てること
●2012年01月 飲水思源(いんすいしげん)