2012年06月 みだしなみ?

 人生初の入院を終えて一か月が経過した。すっかり平常運転に戻って日々を過ごしている。入院中の一週間、確かに仕事等から離れて、のんびりとした時間であったが、決してくつろげたものではなかったのは何故だろうか?
 入院環境は、2年前に新築された病棟で、病室は一見ビジネスホテルのようなシンプルできれいな個室であった。入院生活は、前半(2-3日)は、ほとんどパジャマ姿で横になり、点滴を受けていた。パソコン&メール作業は、なんとなく体がだるく億劫でだらだらとテレビも見なかった。同時に、気分的に暗くなってきたのもこの頃であった。これではいけないと、気分一新を考える! まずはナースに、服装について、パジャマではなく、アロハシャツ&ポロシャツではいけないのかと聞いたところ、特に制限はないとわかった。すぐに、明るくリゾート気分を醸し出そうとアロハシャツを家から持ってきてもらった(10年ほど前に買ったアロハシャツは、縮んで?着れず)が、結果、普段着ているポロシャツに着替えた!個室だったので、加えて、BGMに友人から勧められた「Kenny G」の軽快なジャズをパソコン(YouTube)から流しながら、溜まったメールに返信、書類に目を通したりと、できる限り日頃の行動を再開し始めた。これで少し気分が、変わってきた!(失敗したのは、下は、ショートパンツをはくのもどうかと迷いながらも、パジャマのままであったこと。)その後、原因不明の激しい痛みが出てきて、再び横になる時間が増やされたが、それもクリアーし、予定より1日伸びて退院してきた。
 上記の体験を通して感じたのは、「人は、服装、身につけるもので、行動に対する意欲に影響があるのではないか?
 ということである。思い返せば、ボーイスカウト活動を始めた小学生の頃、「社会奉仕活動」という大義名分に、人前でゴミ拾いをしたり、パレードに参加したりと大勢の人の前で色々なお手伝いをする機会があった。その制服を着た時に、世間の目を意識した緊張感を覚えた。その後、35歳の時に、ロータリークラブという社会奉仕団体に所属した時も、胸にバッチをつけて、電車に乗った時、海外へ出かけて現地クラブを訪問した時など、同じ緊張感があった。また、30歳過ぎてからであろうか? 若い女性が多く参加する講習会に参加した時、翌日は何を着てゆこうか珍しく迷ってみたり・・・。そんな緊張感は、自分の気持ちを高める原動力になるのではないであろうか? 一方、自宅でパジャマ、作務衣、ウォームアップなど、ゆるい衣服を着るが、これは、リラックスをする明確な目的の下にあり、自分自身としては、あくまでも家庭内のことに限定したいと思う。昔は、歳を重ねると、地味でダークな感じの衣装が多い印象があるが、だんだんカラフルに色遣いも楽しむ服を着こなす人が増えてきた気がする。(選択肢が増えたのかもしれないが・・。)
 何がモチベーション&緊張感を高めるのかは、人によって違うのかもしれないが、他人を意識する、自己を表現するといった意識が、大切なのではないであろうか?ある80歳を過ぎた女性が、外出時に口紅をすっと引く。昔ながらのみだしなみ・習慣だけではなく、その年齢で、活動する原動力にもなっているのではないであろうか? 老人ホーム内で、お化粧教室、訪問美容室などを取り入れることで、元気になられた方がいるという話も聞いたことがある。
 これらを「みだしなみ」と一言では言い尽くせないが、自分の楽しさ、主張、遊び、他人の目を意識するなど、日々の行動の中、少しでも取り入れることが、とても大切に思えてきた!普段のスーツ姿では、ネクタイ&シャツで工夫ができるであろう。自分自身は、自己主張して目立つつもりはなく、ただ清潔感を重要視したいと考えている。とは言うものの、さて、人生を楽しく、生き生きと過ごす為にも何か一工夫をしてみたいもの。みなさんなら、何をしてみますか? 
 過去、自分で、または他人を見て、ちょっと気になった目に見える&見えない「みだしなみ」、みなさんの体験談をお聞かせください。

平成24年6月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2012年05月 人のやる気
●2012年04月 次のステージへ!
●2012年03月 歳を重ねること
●2012年02月 捨てること
●2012年01月 飲水思源(いんすいしげん)
●2011年12月 夜空を仰いで…