2012年01月 飲水思源(いんすいしげん)

飲水思源(いんすいしげん)
(中国北周の詩人・癒信(いしん)の「徴調曲(びちょうきょく)」という詞から生まれた成句。)

この故事には、いくつかの解釈があるようだが、「物事の基本を忘れないこと。また他人から受けた恩を忘れてはいけないということ。」今の幸せを喜ぶ時、その基本はどうであったかを忘れてはいけないという意味で、大きな成果が得られたとき、得たものの大きさを喜ぶだけではなく、その成果をもたらした基本を忘れてはいけないと。句の中「その流れに飲む者はその源を思う」から、「我が国では水を飲む時には井戸を掘った人を忘れない。」と、1972年に日中国交正常化をした際に田中角栄首相に周恩来首相が伝えた謝意として記憶されている方も多い。

私は、この言葉がとっても好きで、心に刻んで生きたいと思っている。今年で54年を迎える自分があるのは、多くの人やメッセージとの出会いがあり、振り返ればそれが大きな分岐点となり現在に至る。

人生の中、誰と出会い、どんな話を聞くかで人生が変わり、決まると言い換えることもできると思う。これは、どんな環境に生まれようが、自分の行動次第で、変えられる可能性があるとも解釈できないだろうか。この毎月のメッセージの中では繰り返しになるが、自分自身、中学校の剣道部で、K先輩に知り合わなければ、現在の自分はない。と断言できる。その後の様々な出会いの影響はもちろんあるが、それはK先輩を慕って進んだ高校から始まる。(もちろん両親の間に生まれ、中学までの時間は有意義であったし、それが礎になっていることは忘れてはいない。)不思議なもので、出会いには、長く続く出会いと、道案内人のように、きっかけを作り消えて行く出会いがあった。また何年もブランクがあり、復活することもあれば、昔はそれほど親しくなかったのに、同窓の集まりをきっかけに、非常に親しくなることもある。

慶應義塾では、毎年1月10日に「福澤先生誕生記念会」を三田のキャンパスで開催する。今年は第177回。毎年、福澤家から代表の方が出席され、謝辞を述べられる。1858年慶應義塾創立以来154年。先人への恩は変わらない。素敵な場面である。また10年に一度、連合三田会という大同窓会の運営スタッフの当番年が来る。例年、1万から1.5万人の来場者があり、800名近いスタッフが、事前準備から当日のお手伝いをする。ここでの再会、新しい出会いも素敵である。先人は、その時代をより良くしたいと考え行動された結果が、現在に至る訳であるが、長い歴史の中、それぞれの場面で努力された人物の成果がなければ継続もしない。これも忘れてはならないのは当然である。

大学に進学し、高校時代の友人との電話から、初心者で伝統ある体育会庭球部に入部する。この分岐点は、現在のライフスタイルを築くスタートポイントとなった。5年間の大学生活を通じ、5年目の英国人との出会いは、今の人生観を変えるほどの存在感がある。そして、思いつきの就職活動に始まり社会人となり、地方、東京&海外勤務を経て、転職。その後も自分の人生を左右するような大きな出会いがある。いずれも素晴らしいものである。

多くの出会いを通じ、一人の人間が年輪を刻んでゆく。ずっと大切にしていることがある。年齢とともに、何人もの恩人&友人が逝去された。私の恒例行事として、毎年暮れには、翌年の新しいスケジュール表に、恩人と家族親戚の誕生日&命日を印す。故人の奥様への年賀状は、欠かさずにお送りし、ご恩を忘れないように心がけている。(長い方は20年近くになるであろうか??)

そして、もうひとつこの約30年の間、大切にしてきたことは「先人への恩返しは、後輩&子の世代へ語り継ぐこと」である。このホームページを作った原点もそこにある。

今年は、みなさんが歩んでこられた歴史(人生)を少し振り返ってみることで、長い間気付いていなかった素敵な縁を思い出し、再会&新たな出会いをしてみてください! みなさんに、たくさん素敵なことが起こることを祈念しています!

平成24年1月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2011年12月 夜空を仰いで…
●2011年11月 記すこと
●2011年10月 人生の財産
●2011年09月 手を差し伸べること
●2011年08月 成長と脱皮
●2011年07月 節電努力