2008年09月 一期一会

 「一期一会」とは、一生に一度限りの機会。語源は、「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客ともにお互いに誠意を尽くせ」といった、茶会の心得からである。利休の弟子「宗二」の『山上宗二記』に「一期に一度の会」とあり、ここから「一期一会」の語は広く使われるようになった。「一期」と「一会」をそれぞれ辿ると「一期」は仏教用語で人が生まれてから死ぬまでの間を意味し、「一会」は主に法要などでひとつの集まりや会合を意味しており、ともに仏教関係の深い言葉である。(語源由来辞典より)

 私が今までの50年の間、何人の人と出会い、会話したのであろうか。学校の同窓&同級生、クラブ・ゼミなどの仲間など、現在でも再会するメンバーも多い。さらに新しい(?)出会いがある。学生時代は、あまり親しくなかった人と、同期会などの再会をきっかけに仲良くなった。一度お会いしただけの人から、何度でも(計画的に?偶然に?) 会う人。混雑した駅、街でばったりすれ違う。満員電車の同じ車両で偶然眼の前に・・・。不思議だ!!以前にも触れた記憶があるが、25年程前に香港行きの飛行機で隣り合わせになった香港在住の日本人男性がいる。出会いをきっかけに親しくさせていただき、出張で香港へ出かけるたびに連絡を。香港では、すれ違いばかりであったが、スイスの空港、ドイツの空港で、ばったりすれ違い、最近も新宿の地下道ですれ違った。なんの根拠も無いが、「この人とは、何かあるに違いない!!」と思い込むのは、私だけであろうか??

 出会いも不思議だ。ある出会いがあり、さらには、その人の友人との輪が広がる。ところが、紹介者であった友人とは、何故か会う機会が少なくなり、その先の友人らとお付き合いがどんどん続いていく。元々の紹介者は、ステキな出会いを作ってくれた「水先案内人」であったかのように・・・。約40年前、学生時代に、あるイギリス人の友人が、人生に大きく影響するような出会いを作ってくれた。その後、若くして他界したが、そのご家族とはまだご縁が続いている。現在の自分の人間関係が形成されるまでに、何人もの「水先案内人」が、現れて消えてゆく・・・。しかし再会することが少なくなっても、ステキなご縁をいただいた方のことは、一生忘れることは無い。

 現在の保険の仕事、改めて振り返ってみると「一期一会」の気持ちをより大切にしなければいけない仕事。と痛感する。ご契約の担当をさせていただき、長い方で約15年のお付き合いである。毎月、約400軒弱のご家庭にご挨拶の葉書を出している。過去、7名のご家族に保険金をお届けした。最期にお目にかかれなかった方、病室からメールをやり取りした方・・・思い出は消えない。今でも新しい出会いがあり、別れがある。私も50歳。あと50年生きるにしても、今生まれたお子さんは、50歳である。その後までは、お付き合いできないであろう。特に何か残そうとか、名前を残そうとか、大それたことには興味が無いが、自己満足で「皆さんのお役に立てた」という実感があれば、幸せというものではないであろうか?

 過去の出会い、現在、そして将来の出会い。そのときには気づかなくても、必ず意味のあるものなのだと信じている。改めて、皆さんも「一期一会」、その瞬間瞬間を大切にしませんか!!

平成20年9月吉日
悟空の里主人 金森 悟

 

●2008.8  50年健康長生きプロジェクト ●2008.7思いやりの心 ●2008.6人生の分岐点と終点

●2008.5最高の人生の見つけ方 ●2008.4出会いと再会 ●2008.3語り継ぐ大切さ!