2020年12月 The 2020

 今年も残りわずかとなった。来年は東日本大震災から10年を迎える。今年は、大地震&台風による大災害は少なかった気がする。今は、誰と話をしても「COVID-19」の話題に触れないことはない。今年のお正月には、50年ぶりの東京オリンピック開催を迎え、多くの訪日客を期待し、旅行、宿泊、飲食業は、忙しくなる見込みであった。急転直下、まさかこのような一年になるとはだ誰も予想できなかった。大げさに言うと、人類は多くのことを学ぶ機会になったに違いない。国によって、都市のロックダウンで外出禁止、海外への渡航禁止など、多くの経済活動、日常生活の一部が停止した。人工衛星からは、空気の澄んだ暗くなった地球が見えたといわれる。地球環境的には、良い方向に戻す機会になったのかもしれない。

 100年前のスペイン風邪では、収束するまでの丸3年の間、5億人が感染し、死者数は推計で5000万人とされている。(実際は1億人以上?)今回のCOVID-19(新型コロナ)は、(2020年12月15日現在)
【世界】感染者数7,280万人、回復者数4122万人、死者数162万人。
【日本】感染者数18万人、回復者数15.3万人。死者数2,650人。
日々増加している。ここにきてワクチンが開発され、流通し始めた。その効果に期待と不安が交錯する。

 多くの人が死亡する不安の中、原因は様々かもしれないが、他の要因による死亡者数と比較されることに興味を持った。大きなくくりから見てみたい。2019年の「人口動態統計」では、死亡者数138.1万人。内ガン死亡37.6万人、心疾患20.7万人、老衰12.1万人、脳血管疾患10.6万人、肺炎9.5万人。そして誤嚥性肺炎、不慮の事故、腎不全と続く。次は、インフルエンザ(以降「インフル」)が直接的に死亡原因になった人は、(2018年)3,325人。インフルにより慢性疾患が悪化して死亡された数を合わせると、毎年1万人が死亡している。厚生労働省の情報から、今回のCOVID-19とインフルの違いは、COVID-19の80歳以上の致死率は、15%。インフルは、全年齢平均で0.1~4%。この差の要因は、①症状が急激な悪化。②医療崩壊。そして、警察庁の自殺者統計では、令和2年11月までに約1.9万人(男性が1.3万人、女性が6千人)。

 学校では、入学式&卒業式ができず、高校野球に始まる様々な行事、部活動の場が無くなった。中学&高校生活&部活の集大成としての成果を見せる場&ひとつの人生の区切りの体験を味わう機会が奪われた。成果を上げて達成感を味わう、上げられずに敗北感を味わう。若いころのこの経験は、大人になって、社会人になって、大きな礎となってきた。大学生は、地方から東京に出て新しい友達を作る。登校することを制限され、授業が遠隔となり、新しく出会う機会が激減し、孤立感が続いているという。社会人でも、新入社員の顔をネット越しでは見たが、実際に会ったこともない。という状況も多い。在宅、テレワークの急激な普及により、生活環境などが変わった人は多い。家庭では、ご主人が自宅で仕事をしていることが主婦の大きなストレスになっているという。まあ個人商店をしていれば、四六時中同じ空間に過ごすことになるが・・・。昔は、父親の「書斎」という専用スペースがあり、仕事や趣味ができた。現在は、2LDKは生活の場となり、そのスペースはない。3LDKの物件が品薄であるという。会社の中でも、リモートで商談するために、他の人に邪魔にならないように電話ボックスのようなワークスペースを用意する傾向がある。この1年は、将来どのような記憶として残るのであろうか?生活&社会環境は急速に変化した。新年はこの加速についていけるように、皆さんも前向きに取り組みましょう。今年のご厚意に感謝。良い年をお迎えください!

令和2年12月吉日
悟空の里主人 金森 悟