2018年03月 医の進化

 国立科学博物館で「神秘への挑戦 人体」という特別展が始まった。まだ出かけていないが、是非見てみたい。またNHKでも「人体」というシリーズで番組を組んでいる。8K映像により、生命の神秘、血管内のコレステロールの動きなど、今まで見えなかった微細な動きまで確認できるようになった。医学の進歩は、科学技術の進歩と合わせて、自分では理解できないものすごい勢いで未来に向かっているに違いない。

 数年前に「悪性リンパ腫」を発症された65歳の先輩がいた。セカンドオピニオンを経て東大病院へ入院。抗がん剤治療を始められた。5年以上前では、この病にかかると「余命数カ月」といわれた重篤なものであった。ところが、抗がん剤を投与することで、結果、完全に回復された。抗がん剤については、「合わなければ、新しいものがどんどん出てくるから試してゆくうちに治りますよ!」と言われたドクターの言葉も重要であったかもしれない。先輩は、入院中でもとても食欲がある方で、私がお見舞いに伺うときは、事前に「何か欲しいものは?」と電話すると、ハーゲンダーツのアイスに、ガリガリ君など、細かなリクエストがあった。「美味しいウナギが食べたい!!」などかなり贅沢なリクエストも。美味しいものを持参すると、先輩はそれを食べ、「あなたこれ食べていいわよ!」と私が病院食を完食することもしばしば・・・。回復の原因は、抗がん剤の効果はもちろんであるが、同時にこの食欲と生きる強さにあったと確信する! 

 30年以上前に交通事故で、脊髄損傷となり、左半身が不自由になった青年がいた。リハビリも断念し、今でも孤立した生活を送っている。また視力の低下を心配し、眼科を受診したところ、難病の可能性があると診断された友人がいる。将来的には、光を失うか、僅かな視野しか残すことができない可能性があるという。高校時代、医学の道を目指した友人の一人が再生医療の分野で世界的な活躍をしている。脊髄損傷の分野でも、この眼の難病についても期待のできる研究が進んでいるという。今まであきらめていた人生や、これから起こるであろう大きな不安を取り除くような、人生に明るい兆しが訪れることを祈るばかりである。

 医学はどんどん進み、今まで見えなかったものまで見えてしまう。
5年前に旅立った母は、私を生んだ後、入院している。当時は、「脳軟化症」などの診断を受けたらしいが、レントゲンやMRIの技術の向上で「脳静脈奇形」とわかることになる。たまに悪さをして、救急で運んだこともあったが、その後は、脳動脈瘤が見つかり、手術は成功したが、水頭症を発症。その後、転倒などで、リハビリ&車いす生活・・・と弱っていった。私と同居していた父は、前日まで、食事をし、風呂に入り、おやすみの挨拶をかわし、翌朝、脳梗塞で帰らぬ人となった。ちょうど最近のNHKで「心房細動」の特集をしていたが、父の場合、寝ている間に起こり、その血栓が頸動脈に詰まったのではないかと思われた。不整脈はあったようだが、大病することなく86年間生きてきた。ひ孫もできて、祖父と同じ96歳まで、まだ10年は生きたいといった矢先のあっけない出来事であった。病気には、色々な兆候と、対処の仕方があるという。「そういえばあの時・・・」という症状が出ていることが多いと。心臓の痛みを感じ、緊急入院し、心臓の血管にカテーテルを入れて、なんともなかったように復活しゴルフを楽しむ先輩もいる。軽い脳梗塞で、以前と変わらず活躍している仲間は何人もいる。階段から転落し、脳挫傷になった友人が、機転の利いた対処法で、全く後遺症もなく医業に励んでいる。私は、頭のMRIを撮ると脳の毛細血管の脳梗塞痕が、たくさんあるという。「皆さんありますから、何ともありませんよ!」と診断されるが、何とも納得いかない不安を抱えるきっかけとなった。今まで見えなかったことが、見えるようになり、新たな病気の原因の発見に、新しい治療法が生まれ、昔では治療できずに命を落としたような病が完治するようになったのは間違えない。どんどん進化する医療。それを助ける科学技術の進化により、より高度な医療環境が構築されてきていることに大いに期待したいと思っている。

 皆さんも自分はもとより、ご家族・友人・同僚などと健康についての情報共有&交換をどんどんしてみてください。すてきな医師との出会いは、人生を変えることになるかもしれません。

平成30年3月吉日
悟空の里主人 金森 悟

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