2016年01月 買い物

 新しい年も半月が過ぎた。暖冬といわれていたが、遅れて寒さもやってきたようだ。みなさんどのようなお正月をお迎えになられ、どのようにスタートされたであろうか?
 いつごろからだろうか? 元旦からほとんどのお店が開いており、正月らしさも薄れてきたといわれるが、年末の除夜の鐘、一年参り、初日の出、初詣など、文化風習を大切にする習慣は、大勢の人に、またまだまだ若い人にも残っていることがホッとさせる。昨年暮れに「三越伊勢丹」が、首都圏8店舗で、他のデパートより一日多く休んで、「初売りを3日から」にしたことが話題となった。「2日間お休みをいただくことで、新たな1年への意欲を高め、全従業員がより一層お客様のご要望にお応えできる体制を整えてまいります。」という趣旨であったが、結果どのような効果が得られ、来年はどうするのであろうか? 
 宅配便が普及した今では、買い物の仕方もどんどん変わってきている。一般のお店は、お休みなし、週休1日など、いつでもどこかのお店が開いているので買いだめをしない。足りないものがあれば、24時間営業のコンビニで補充できる。一人暮らし、共働きをする人等は、大型の冷蔵庫を持ち、週末に一週間分をまとめ買いする。冷凍食品に始まり、自宅での料理も多めに作り、残りを冷凍保存。冷凍&解凍技術も格段に進化し、できたての美味しい味を口にできる。買い物で、持ち運びが大変な重いもの(ミネラルウォーターなど)、大きくかさばるもの(トイレットペーパーなど)はネットなど通販で宅配してもらえる。ネット環境に苦手な高齢の方でも、重い荷物を持つことなく、宅配サービス、タクシーでのお買い物アシストなどの利用で苦労少なくできる環境も整備されてきた。繰り返し使用する日用品は、ブランド&品質など、使い勝手が分かっている商品は、現物を見なくても購入を繰り返すことができ、趣味性の高いものは、お店に出かけ楽しむ。しかし、お店へ出かけても、現物を手に取り見定め、帰宅してから、ネットで安いものを探すなど、買い物の工夫もさまざまである。
 郊外型大ショッピングセンターは、買い物の時間&空間を楽しめるフードコート、子供向けの遊戯施設、映画館など複合的な施設が併設され、週末のひと時を家族&仲間と過ごす場所として定着してきている。その中でも、「コストコ」という大型倉庫での会員制(年会費4,000円前後)の販売方式も定着してきている。日本には1999年に進出(1976年アメリカで創業)し、今では、日本国内24倉庫店まで拡大している。私は年に数度利用することがあるが、いつもかなり混雑している。倉庫の棚から商品をピックアップしてレジへ運ぶだけ。商品は、一パッケージの量が多く、大家族か、ご近所仲間でシェアする購入のしかたが多いようだ。また日本では見られないサイズの大型商品もあり、家族&仲間と連れ立って、レジャー感覚で、その空間&時間を楽しめる。さらには、飲食店店主などが、一般の仕入先より安く大量購入できるアイテムもあり、重宝されている場面も見受けられる。
 一方、昔ながらの八百屋さん、お魚屋さん、お豆腐屋さんなどは、今後どのようになっていくのだろうか?元々、街の商店街は、単なるお買い物の場所だけでなく、お店の人との人情味あふれたコミュニケーションを通して、コミュニティが定着し、街の防犯効果も備えている。以前、私が国立市のロータリークラブに加入していたころ、何人もの商店街の店主と交流させていただいた。その商店街を通って小学校に通っていた我が子供たちには、「もし通学途中で、危険&緊急なことがあった場合は、『○○薬局』等に飛び込みなさい!」と教えていた。自宅から離れた場所でも、安心して子供を通わせることができたことは、素晴らしかったと思う。しかし、街の商店街の現状は、事業承継する若者の減少、高齢化、廃業で、商店街形成にも問題を抱え始めている。同じものを安く、手軽に購入する方法が、多岐にわたり、街の商店街での買い物頻度が減少している現実。これは、街の形成にも大きく影響していることを考えると、地元での買い物を改めて見直すことが必要であると感じる。今年は、週末を地元での買い物など散策しながら過ごす時間を作ってみたいと思う。皆さんもいかがであろうか?

平成28年1月吉日
悟空の里主人 金森 悟

●2015年12月 おせち料理
●2015年11月 友、遠方より・・・
●2015年10月 2015年10月 二十四節気と七十二候
●2015年09月 たい焼き
●2015年08月 57年目の年輪を刻んだ
●2015年07月 お墓参り