2010年12月 世間知らず?
師走に入り、今年も残すところ2週間。あわただしくお過ごしのことと思います。
2010年は、皆さんにとってどんな一年でしたでしょうか?また来年に向けて、仕込んでおられることも色々あるのではないでしょうか?
さて、日頃、自分でもある程度、世間の常識と理解し、当然と考えていたことが、実は、現状に合っていなくなっていることがないだろうか? いつの間にか、世間知らずとなっている自分がそこにいる・・・。仕事柄、恒例の年末のご挨拶で、多業種の方とのお話をした中からその例をご紹介したい。
<電気自動車>
車好きの友人、タクシー会社の方と話をした。電気自動車は、地球環境を考え、最新技術を使った大きな変革!と思っている自分がいた。ところがなんと、電気自動車、蒸気機関、内燃機関は、1800年代同時期にあり、源動力の覇権を争っていたと。調べてみると、1830年代に世界初の電気自動車が発明され、1890年代に英国で販売され、1900年には、フェルディナント・ポルシェ博士が、パリ万博に出展。その後、アメリカのフォードT型の成功で、自動車市場は、内燃機関自動車が席巻。電気自動車は姿を消した。と。
技術の差があれ、電気で動く自動車は、最先端のものであるという認識は覆された。
今月、日産自動車の「リーフ」という車が発売された。フル充電による走行距離は200キロ。あるタクシー会社での導入も間近という。タクシーの運転手さんに聞いたところ、景気のいい時は一日500キロくらい乗車したこともあるとか。ただ現在は、関東運輸局管内では、一日当たりの走行距離制限を365キロとしているとか・・・。そうすると、タクシーでは、どこかで充電するか?電池を交換してはしならなければいけない計算に??また、いずれガソリンスタンドが、電気スタンドに代わるであろうと思っていたら、フル充電する費用は数百円程度。商売にならないという。また携帯電話と同様なビジネスモデルで、自動車車両本体は無料で、電池利用に応じた料金徴収を考える。など、色々検討されているという。
自動車産業、輸送業など、将来どのように変わってゆくのでしょうか??
<東京都の教育事情>
ある学習塾の社長とのお話から。
私立学校がもてはやされていたのは、もう過去の話?? 昨今、東京都を中心として中高受験の状況は、都立中高一貫校(併設型中学校、中等教育学校)の出現で大きく変化してきているとのこと。不景気の影響で、家庭の教育費削減などから公立に大きくシフト。例えば2009年の東京都の小学6年生10万人の1割以上が11校の都立中(内一校は区立)を受検(中高一貫校は、受験ではなく、「受検」というらしい。)。10倍近い競争率の中、優秀な学生が私立から移動しているそうだ。その背景は、都立中が授業料無料というだけでなく、公立中高一貫校、もしくは公立高から国立大というコストパフォーマンスを考えた変化であるといえるとか。自分の子供が、社会人となり巣立っていくと、日本の教育事情についても、関心が薄れてしまうのか?情報が乏しいと実感。仕事柄、もっと教育&受験事情を知らないと!
たった二つの例であるが、世の中の動きは、本当に早く、アンテナを張っていないと、たいへん!
過去の経験、知識だけでは、目の前の判断すらできなくなる時代に来ていると実感。新しい常識も、どんどん取り入れてゆけるくらいに、来年も多くの人に出会い、語り合い、世間の流れに乗ってゆきたいと感じるのは、みなさん同じでは?
改めまして、この1年間、ホームページにご訪問いただいたみなさまに心より感謝申し上げますとともに、今後のご多幸を祈念してご挨拶とさせていただきます。よいお年をお迎えください。
平成22年12月吉日
悟空の里主人 金森 悟
●2010年11月 往路と復路
●2010年10月 握手
●2010年09月 はだし教育
●2010年08月 昔話とその使命
●2010年07月 鳥瞰(ちょうかん)
●2010年06月 初めてのこと