2010年07月 鳥瞰(ちょうかん)
辞書で調べてみると「鳥が空から見下ろすように、高いところから広い範囲を見下ろすこと。また転じて、全体を大きく見渡すこと。」また『鳥瞰図』については、「高所から地上を見下ろしたように描いた図。市街・地形などを説明的に描くのに適する。鳥目絵。俯瞰図。」とあった。現存日本最古の鳥瞰図は、「東大寺領荘園図」が。海外では、レオナルド・ダ・ヴィンチの「トスカーナ鳥瞰図」などがあるという。
さて、今では、鳥が空を飛びながら見る高さより、はるかに高く宇宙から地球を見ることができる。(私自身は、まだその体験はしたことがないが。)過去、宇宙から地球を見た宇宙飛行士たちの名言が残っている。1961年、ガガーリンの「地球は青かった」。・・・1992年、エンデバー帰還後の毛利衛さんの「宇宙からは、国境線は見えなかった」など。
時代は代わり、コンピューター技術の発展により、最近では、「Google Earth」では、宇宙から見た地球から、該当住所(地名・施設名など)を入力すると、たちまち目的地の航空写真が現れる。テニスコートの人の影まで見えることも・・・。さらには、「Google Map」では、自宅住所を入力すると、駐車してある車まではっきり分かる。(もちろん、ナンバー・表札などの個人情報はぼかしてあるが・・・。)パソコンの世界では、リアルタイムではないにしろ、上記の通り、宇宙飛行士以上の体験ができる。映画の世界では、リアルタイムで、衛星カメラから犯人を捕らえ、追跡するシーンが使われる。もう現実でも出来ているのか??
昔から、高所から物事を見るということは、我々に何を伝えてくれているのであろうか?と、考えてみた。日頃、目先の課題に追われ、一時間、一日、一ヶ月、一年、・・・、10年・・・一生と人生を過ごす。そんな世界から逃避などできるわけがないと考える人は多い。しかし、飛行機に乗ると、地上を飛び立ち宇宙へ向かうかのように、大空の下、雲海の上を飛び、日頃、考えている世界の狭さ、小ささを気付かせてくれる異空間でもあり、不思議な瞬間である。前職では、そんな経験をしながら海外を飛び回っていた。
先日、テニス仲間のお誘いで、彼の持つ軽飛行機(セスナ機は、固有名詞と初めて知った。)で、調布飛行場を飛び立ち、新宿、新横浜、横浜、湘南海岸、鎌倉と約40分のテスト飛行に同乗させていただいた。初めての経験であったが、今まで乗った飛行機とは違った!空の上とはいえ、地上との近さ(2000~3000フィート)! 日頃動き廻っているフィールドを、ものの数分で飛びぬけた。大きな飛行機に乗った体験と比べて、より現実的で、より効率的な行動をイメージでき、新たな発想&行動の可能性を感じた気がする。
高所から物事を眺めて判断する。簡単なようでなかなか難しい。言い方を変えれば、見方を変える。立場を変えて考えてみる。ということであろうか? 人間、どうしても自分の人生の成功&失敗の経験に照らし合わせて判断をしがちである。(もちろんそれが大切なこともある!) また、ちょっとしたきっかけが、「何でそんなことに気付かなかったのだろうか?」と、目からうろこの話・光景に出会う瞬間がある。何が大切なのであろうか?自ら努力をして、角度の違う判断ができる経験を積むこともできるであろう。しかし時間も限られ限界がある。それならば身近で違う経験を積んできた多くの人と語り合うことで、吸収できることは少なくないのでは?と考えた。若者たちは、未熟・経験不足のことばかりではない、最先端のグッズを使いこなすアドバイザーであるかもしれない。世代・考え・経験・生活習慣の違う人たちと、ぜひ語り合ってみませんか??必ず、新たな気付きと、新しい道が開けてくるはずです!! これから夏休みもあり、仕事以外の仲間と過ごす機会も増えるでしょう。ぜひお試しを!
平成22年7月吉日
悟空の里主人 金森 悟
●2010年06月 初めてのこと
●2010年05月 旅に出ること
●2010年04月 笑い (その2)
●2010年03月 笑い (その1)
●2010年2月 チャンスへの招待状
●2010年1月 デフリンピック