2024年08月 66
8月16日、私は66本目の年輪を刻むことになった。65歳を超えると「高齢者」の仲間入りを果たすが、人生100年時代とも言われるこの時代、あと35年をどう生き抜くのか、少し考え込んでしまう。
5月末、30年続けた生命保険の仕事に区切りをつけ、6月からはご縁のある方々の会社でお手伝いを始めた。周囲からは「少し休んだら?」という声もあったが、のんびりする性格ではないし、社会とのつながりを持ち続けたいという思いもあったので、今は3つの仕事を掛け持ちしている。個人事業主だった頃は、自分のペースで働くことができたが、今は勤務中は私用の電話も控え、時間に縛られる新鮮な毎日だ。
しかし、新しい生活を始めてしばらくすると、背中に激しい痛みが走り、友人のクリニックで紹介された病院に2泊入院することになった。人生で入院したのはこれが2度目。精密検査の結果、内臓には問題がなく、原因不明とされたが、痛みはいつの間にか消えてしまった。これが良かったのか悪かったのか、自分でも判断に迷うところだ。
現在携わっている仕事のひとつに、知的障碍者グループホームのお世話がある。もうひとつは、訪問診療を行うドクターや看護師の送迎運転手だ。知的障碍者施設では軽度の方が多く、主に清掃や食事の提供、利用者との会話が仕事だ。ご家族が訪れることは少なく、自立支援型とはいえ、彼らが自宅に戻る日は来るのだろうかと考えさせられる。
訪問診療で訪れる施設では、多くの高齢者が生活している。彼らは自宅での生活に不安を抱え、施設で人の手を借りながら日々を過ごしている。私自身、母が特養でお世話になっていた頃、毎日顔を見に行っていたが、それは珍しいことかもしれない。在宅で介護するのは、家族の時間や体力を奪い、仕事ができなくなることもあるだろう。施設で働くスタッフの中には、自分の家族を自宅で介護しながら夜勤で働いている人も少なくない。
人生100年時代とは、こうした現実の延長線上にあるのだろうかと考えると、不安が募る。
日本の平均健康寿命は74.1歳で、平均寿命は84.3歳(男性81.5歳、女性86.9歳)とされる。この数字を見ると、人生の最後の10年は日常生活に制約が生じることが当たり前なのかもしれないと考えさせられる。私も高齢者の仲間入りを果たし、この先何歳まで健康な生活を続けられるのか、自問自答の日々だ。
健康管理においては、食事が最も重要と言われる。あるアメリカのセレブの健康管理を担当するドクターは、食品添加物やマイクロプラスチック、化粧品などの体に害があるものを避け、体内に溜まった毒素を排出する生活を推奨している。我々の生活では、加工食品や冷凍食品、電子レンジの利用が体に悪影響を与えるとされるが、それらを避けて生活するのは一つの戦いのように難しい。
この先、現実的な正解を見つけるのは難しいかもしれないが、まずは実行可能な範囲で食生活を見直し、健康管理に取り組んでみてはどうだろうか。
令和6年8月吉日
悟空の里主人 金森 悟