2019年06月 UMAMI

約20歳年の離れた松嶋啓介シェフと出会った。
「乱れた日本の食文化を変えたい!」そんな九州男児の野望に惚れた。
フランス・ニースを拠点に、ニース&東京でレストランを経営している。幅広いネットワーク(脳科学者、住職、歯科医、アスリート等々)で、様々なイベントを開催して啓蒙活動に尽力している。

そのコンセプトは、簡単には、
「塩味と甘味(砂糖)の無い食事」を美味しくいただく。
味には「五味」(塩味、甘味、苦味、酸味、UMAMI)がある。
塩味&甘味の摂りすぎは、体に良くない。特に、「UMAMI」の重要性について改めて記してみる。

①グルタミン酸(昆布、トマト、タマネギ、ブロッコリー、味噌等)、
②イノシン酸(カツオ等魚類、肉類)、
③グアニル酸(干し椎茸等)、
④コハク酸(アサリなど貝類)

日本人の食生活では、UMAMIをとても大切にしてきた食の歴史を持つ。
ひとつは「UMAMIの相乗効果」といわれ、日頃使われる「出汁」に注目したい。グルタミン酸+イノシン酸の相乗効果の例として、

①野菜料理(グルタミン酸)+カツオだし・煮干しだし(イノシン酸)
②肉料理(イノシン酸)+昆布出汁(グルタミン酸)
③和食: 昆布(グルタミン酸)+カツオ(イノシン酸)の合わせ出汁。

このUMAMIを活用することによって、料理から塩や砂糖を減らしてより健康的な食事を心がけることができると。

UMAMIたっぷりの食事は、
「美味しい」という旨みではなく、「ホッとする!」というものである。暖かな出汁、お味噌汁、しじみ汁など、いただいたときのあの感覚である。

「母乳」の中には、グルタミン酸がたっぷり入っている。赤ちゃんがどれくらいの母乳を飲んでいるか?
「生後3ヶ月までの赤ちゃんの一日の体重増加量は約25~30g前後」(一般的には一ヶ月で約700~1Kg程度の体重増加で母乳は足りているという目安に。)

母乳より、粉ミルクを飲んだ時の方が、摂取量は多く、体重増加もあるようだ。ある研究で、母乳にたくさん含まれる「グルタミン酸を入れた粉ミルク」を与えると摂取量が下がり、理想的な乳児の体重増加に効果が見られるとの研究があるとのこと。
これは満腹感だけではなく、「ホッとする安心感」に満たされた赤ちゃんの様子を写し出しているに違いない。

人間の体は、生まれつきUMAMIをしっかり摂れる食生活をすれば、心豊かな食生活をベースにすくすくと成長し、健康を害することを軽減し、様々な精神的な疾患にも好影響があるに違いないと信じる。

反対に
塩味、甘味に加えて「脂」の入ったものは、人間の脳を直接、「美味しい~!!!」と感じさせる。昔からある、かっぱえびせん、ポテトチップス、ポップコーンなどは、CMのとおり「やめられない!止まらない!!」。

松嶋シェフのいう
「美味しいのと体に良いものは違う!」のコメントは腑に落ちる。

「ラタトゥイユ」というフランス南部プロヴァンス地方・ニースの郷土料理で夏野菜の煮込みをご存知だろうか?

パプリカ、ナス、ピーマン、ズッキーニといった夏野菜をニンニクとオリーブで炒め、トマトソース(タマネギ炒めて)のようにして煮込む。素材そのものの味を引き出し、弱火&中火でグツグツと。

松嶋シェフとは、この話から盛り上がり、「会社&人間関係も同じだね!」と。人を育てようと「強火で加熱」(怒る&叱る)しても、本来のその人間の個性を引き出して生かすことはなかなか難しい。料理と同じように、「弱火」、「中火」で時間をかけてグツグツと煮込むと、その人の個性を引き出すことができる。

こんなやり取りをしながら、ステキなご縁が続いている。
このタイミングで知り合ったことには意味もあるだろうし、個人的には孫の食生活まで関心を広げてみたいと思う。

私の両親&私は富山出身。
食生活の中にはいつも昆布と煮干し、鰹節があったことを思い出した。便利になりすぎた世の中、皆さんも「体に良い」食事を摂ることを心がけて、健康で穏やかな生活を過ごして行きましょう!!!

令和元年6月吉日
悟空の里主人 金森 悟

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●2019年01月 歴史の転換点
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