2023年11月 出会いの延長線上
日々、色々な出会いがある。仕事上の出会い、友人に誘われて出た会合での出会い、ボランティア活動を通しての出会いなど。そして親しく話しているうちに、私が仲介となり、出会いと出会いを繋ぐことになりさらにその関係が想定を超えて発展していく。そんな経験をされたことがあるだろうか?
最近も思いもかけない展開があった。
10年ほど前になるであろうか?ボランティアで、日本テニス協会主催のジャパンオープン大会の観客対応のお手伝いをしていた際、VIP向けの食事を提供してくれたミシュラン星を獲得されたフレンチのシェフM(ニース在住・月一東京)に出会う。そのご縁から3年半の間、私の友人関係者を集めて、毎月帰国されるタイミングに合わせて、シェフMのお料理教室を開催。コロナになり、いったん終了したが、コロナ前に同レストランで働いていたシェフNとも親しくなった。その後、彼が香港でレストランをされる報告を受け、香港在住の私の友人夫婦をご紹介。数年後、帰国された後も連絡を取り合った。そこに、私の同郷(富山県)出身の友人から、富山のガラス工芸を企業などへPRする紹介依頼が舞い込む。富山のガラス製造産業は、昔から「薬の富山」と言われ、その薬瓶製造にルーツがある。数多くのデザイナーが、お皿、コップ、ワイングラス、アクセサリーなどを作っている。そこで、様々なシチュエーションに合わせて料理を展開しているシェフNへご紹介。それから1年ほど経過したであろうか? シェフNから、富山市のガラス工芸とのコラボが実現することになった。との連絡があった。さらには、世界的に有名なシャンパン製造責任者が、リタイア後のことなどを考えるうちに日本酒に出会う。そしてご縁あって富山で日本酒造りを始めた。この富山のガラス工芸のお皿などに、シェフNの料理が盛られ、料理に合わせた熟成の仕方を変えた特別な日本酒がふるまわれる限定イベントが開催された。シェフNの力がなければ起こらなかった展開であるが、そのご縁の一端に関わったということで、私もお声掛けいただいた。このイベントでの出会いを通して、富山の醸造所訪問のご縁もでき、東京で飲食店展開されている方ともご縁が広がることになった。
出会いが出会いを生み、その和を広げるように展開していく。それも自分の知らないうちに、想像を超える発展に至ることも。こんなことがあると思うとなんだかワクワクする。故意に何かを作り出そうということではなく、その時のニーズに合ったご縁を結び、物事が進む。世の中には偶然はなく、すべてが必然!という人もいるが、色々な出会いを通してご縁がつながり、新しい展開が重なると、そんなこともあるかもしれない?と信じたくなる。
自分自身の現在までを振り返ると、中学校剣道部の先輩Kとのご縁から、先輩が進まれた大学の付属高校を選択した。大きな分岐点への始まりであった。大学進学し、高校同期の勧めで、初心者にもかかわらず体育会庭球部に入部。その後、留年するものの、プラス一年を有効活用しながら、さらなる展開もあった。「テニス」に出会っていなければ、現在の80%の人脈はなかったかもしれない。ドイツ赴任中も、テニスを通じた現地での交流が生まれた。テニスがなければ、始めに登場したシェフMとの出会いもなかった。
出会いの延長線上の元には、10年、20年・・・50年とすべてきっかけになった分岐点があった。自分自身の出会いはもちろん、人と人とを繋ぐ出会いもある。これからもまだまだそんなステキなご縁を広げる瞬間が楽しみである。皆さんも、現在そして将来の出会いを大切にしてみませんか?
令和5年11月吉日
悟空の里主人 金森 悟