2023年08月 SIXTY‐FIVE

 今月で65本目の年輪を刻む。先月「介護保険証」なるものが手元に届いた。えっ?私宛・・・??
60歳以上で映画館のシニア割引があった。65歳という年齢では、各公共施設などの割引が加わる。
調べてみると、かなり色々なシニア割引サービスがある。①都立美術館、動物園、水族館、公園、庭園、②JRジパング倶楽部(最大3割引)、③飛行機(ANA、JAL)運賃、④東京メトロ、タクシー(地域による)、⑤ディズニーリゾート、USJ、ハウステンボス、⑥ホテルバイキング、などなど・・・

 統計局のデータ(2022年9月)では、65歳以上を「高齢者」とし、3,627万人(全人口の29.1%)で過去最高に。2040年には、65歳以上が35%に。就業者数は、909万人(25.1%)。65歳から69歳までは、50%を超えるという。病気に関しては、65歳以上の高齢者の受療率が高いのは、「入院」では、①脳血管疾患、②がん、「外来」では、①高血圧性疾患、②脊柱障害。65歳以上の認知症患者は、5.4人にひとりと予想されている。このような国の統計において「高齢者」の仲間入りをしたのである。

 最近、テニスのお手合わせをいただく先輩のおふたりは87歳、おひとりは78歳。激しく動き回るプレーはせず、休憩を多く、途中で疲れたら交代。プレー中は、背はシャキッと伸び、軽いステップで動き回られる。また、以前、参加していた北海道大学の庭球部のOBテニス会は、平均年齢75歳くらい。心臓ペースメーカーを入れた方、数多くの手術をされた方など、一番の若手であった私が息を切らせながらお相手をしていただいた。自分は、10年後、20年後に同じようにテニスコートに立ち、プレーができるのか?

 また44年前の学生時代からお世話になっているヨットがある。当時、10から15歳程上の社会人の先輩方が主メンバーであった。それは今も続き、現在70~80歳台に。天候の悪いときは、船を出さず、帆走する際は、海上で機敏に動き操作をされる。ほとんどの方は、リタイアされており、日頃は、ウォーキングをされたり、自転車で走られたり足腰を鍛えられているという。

 私は、生命保険の営業を35歳で始めた。自分が50歳代前半の頃までは、当時80歳台以上のお客様より、30-40歳台のお客様の入院給付金請求が多かった。50歳代後半からは、自分に近い年齢の方を病気が原因でお見送りをした。ざっくりいうと、「昭和一桁生まれの方々は、体が丈夫」ということか? それは戦前戦後の質素な食事、農薬の少ない食物、添加物のない食料などにより、頑丈な体を作ってきたのだと思う。以前、松嶋啓介さんというミシュランの星を獲得したシェフと縁があり、「日本の食文化を良くしたい!(健全なものにしたい!)」と塩と砂糖を使わないレシピの料理教室を2年半毎月開催。(後に、ミネラルたっぷりの塩は、体に良いと修正。)時間をかけて食材に火にかけることでその素材のうまみが出る。現代は、短時間で料理をしなければならず、調味料を使わざるを得ない。野生の動物は、火が使えないので、肉、植物を「生」で食す。本来、その素材の持つエネルギーをそのままいただくことで、健康な体を維持できていると。人間には、なかなかできないが、フルーツ、生野菜など加工されていない自然からのエネルギーを吸収できるような食を摂ることが推奨される。加工され気軽に口にできるものは、かなり吟味して選ばなければいけないといわれる。これは、高齢者となって長く元気に生きるために必要なことであるが、子供&孫の世代には、もっと気を付けてもらいと思う。食の安全と、元気な長生きは、表裏一体ではないだろうか?皆さんも、時間をかけて、じっくりと食に向き合ってみることをお勧めしたいです。

令和5年8月吉日
悟空の里主人 金森 悟