2023年05月 COVID-19禍明けについて

 新緑が美しく輝く季節になった。ゴールデンウィークを挟み、いかがお過ごしになりましたか?
COVID-19禍の規制もなくなり、街中、観光地では、インバウンド・観光客が増え、約3年前の状況に戻り始めているかのようだ。ただ、飲食業界では、顧客は戻ってきたが、スタッフが戻らず、人手不足で頭を抱えているお店が多いという。また職人は、腕を磨き、振るい活躍をしたくても、今回のようにお店が閉店、営業時間短縮と、不安定な職より安定的な職に就きたいとの変化があるようだ。京都の大きな神社の神職の方からも、人手不足があると聞いた。今まで働いていた人正社員、パート、アルバイトはどこへ行ってしまったのだろうか?家庭以外の多くの人に接触する職場が敬遠されたことが要因のひとつなのだろうか?

 以前から人手不足の対応策として、外国人の雇用があった。日本人のやらない職種を外国人労働者に低賃金で働かせているという印象がある。あるフィリピンの方は、アマゾンに勤務し、0時から12時まで倉庫作業に従事。深夜作業続きで生活リズムが乱れ、体調も崩しがちで、厳しい労働環境の実態を聞いた。一方で、3月のGALA湯沢スキー場内のスキー用品レンタルコーナーでは、東南アジア系のスタッフを多く見かけた。一般的に日本語は片言で、寡黙に仕事をこなすイメージであったが、インバウンドの顧客を相手に多言語を使い接客していた。最近、東京駅八重洲口にオープンした「ブルガリホテル東京」にも東南アジア系のスタッフを何人も見かけた。インバウンド客対応に、多国籍言語を操る優秀なスタッフの人選であろう。外国籍の労働者のレベルは格段に上がり、当初の人材不足とは違うステージが始まったと感じた。

 私は、学生時代、レストラン、果物屋、家庭教師、テニスコーチでアルバイトの経験をした。もちろんお小遣い稼ぎであった。あるときアメリカ人の履歴書の書き方についての話を聞いたときは、目からうろこであった。例えば、マクドナルドでアルバイトした経験を履歴書には、①商品管理、②製造管理、③品質管理、④衛生管理、⑤顧客対応、⑥マーケティング、⑦経営管理などを学んだ。と記す。同じことをしていながら、とらえ方、取り組み方、表現の仕方の違いに愕然とした。

 COVID-19禍、大学の授業は、リモート中心に。キャンパスへ通うこともなく、サークル活動などを通じた友づくりもできず、実家に戻る学生も多かったらしい。学生時代の体験は、勉学だけではなく、友人作りなど、色々なコミュニケーションを学ぶステージでもあると思う。COVID-19禍で、失われた人とのリアルな交流、コミュニケーションなど人生経験、社会経験などを積み上げる機会として、多くの交流を通して、価値観の違い、表現に違いなどを積極的に体験することをお勧めしたい。

 COVID-19禍により、リモートによるコミュニケーションが急速に広がった。しかしコミュニケーションというものを改めて見直す良い機会にもなった。自身の生命保険営業の仕事柄を通した感想は、よく知る間柄の方とは、(実際は、対面で交流したいが)気軽にコミュニケーションができる。しかし初対面の方とは、会話の間の取り方、表情などのニュアンスを掴みにくい。また、商品説明などは、パソコン・スマホなどの画面を通したやり取りには限界を感じ、対面で資料を広げて説明できるコミュニケーションの良さ、楽しさを改めて実感した。

 COVID-19禍が明けたこれからは、制限下のプラス&マイナスの体験を今後に生かしてきたいと思う。皆さんも前向きに楽しく進めていきましょう!!

令和5年5月吉日
悟空の里主人 金森 悟