2022年06月 初めてのこと
人生、いくつになっても初めての体験というものがある。初めてのことに、何歳の時に、どこで出会うか? 出会った時が、その人の初体験である。年齢に関係のない、「初めての体験」の孫とのエピソードがある。
「りんご丸かじり」: 孫たちをホテルにあるプールに連れて行った時のことである。サービスでリンゴとミカンを出してくれた。丸ごと出されたリンゴに孫たちは手を出さない。「食べていいよ!」といっても、モジモジ・・・。彼らにとって、リンゴを食べるときは、「親が皮をむいて、食べやすいのように切ってお皿に出てくるもの。」だったことに気づく。私は、リンゴを袖でこすり丸かじりをして見せた。孫たちは、口をポカンと開けて興味深く見つめる。「リンゴはこうやって食べるのが一番おいしい!! やってごらん!!」と教えると、すぐに実行。始めは、歯の立て方もわからない。食べ始めると、おいしくて、楽しくて、おかわりするほどであった!!
「砂浜」: しながわ水族館敷地内にある池に砂浜がある。その「砂浜で遊びたい。」という孫のリクエストがあった。思い切って、逗子海岸へ連れて行った。泳ぐ人、サーフィンをする人、お散歩をする人、賑わっていた。電車&車の車窓から海を見たことはあるらしい。繰り返し波が寄せる砂浜に立ち、始めは怖がったものの、貝殻を見つけ、足元の砂が流されていくことを楽しみ始めた。慣れるにつれ、跳ねたり、数百メートル走ったり。そして、びしょびしょになっても、時間を忘れて過ごした。砂まみれの手を海水で洗い、「ちょっと舐めてごらん!」というと、「しょっぱい!! でも少し甘い?!」と初めて海水を舐めた。
「皇居一周」: 皇居周辺を車で、歩いて通りがかる際に、皇居周りをランニング&ウォーキングする人たちを見かける。一周4~5キロといわれ、日頃、よほどの体力がなければできないものと考えていた。私は、COVID-19禍、一日1万歩を歩く習慣を始め、試しに、汗をかかない程度に、景色を楽しみながら、ブラブラと歩いてみた。半蔵門から桜田門にかけて、緩やかな下り坂、皇居前広場の広大さ、濠の白鳥、水鳥、魚、植物を見るのがとても楽しく、気持ちのいい。それ以来、気分転換も兼ねよく出かけている。
「靴磨き」: 某ホテルでの待ち合わせで、1時間以上余裕ができた。立ち寄ったトイレの前に「靴磨きコーナー」があり、お客がいなかった。安物の靴で、職人さんに磨いてもらうほどではないと、一度通り過ぎたが、何となく戻り「お願いできますか?」と尋ねた。靴がピカピカになるのがとても嬉しかった。時間にしてみれば15分程度であったろうか? 靴は、一日履いたら陰干しして休めてあげることが大切。まずは汚れを落とし、布に水分をつけて革になじませ、磨く。高い靴も安い靴も同じですよ。と言われちょっと安心。靴磨きを見ながら、「階段を歩いていると、前を歩く人の靴底の減り方が気にかかる:など世間話を。映画で、刑事が扮した靴磨きの人から、情報提供をしてもらうシーンを思い出しながら、会話を交わした。
「床屋さん」: 30年近く通った床屋さんを変えてみた。カットの仕上げに、ジェルかムースを使って仕上げてもらっていた。それらを使わないと髪型がまとまらないと思っていた。新しい床屋さんは、何もつけずに髪型がまとまる。これには感動した。それ以来、大フアンになった
孫と私の事例ではあるが、人生いくつになっても、体験したことがない事が山ほどある。大人&親の責任は、子供たちに、自分では気づかない、知らない世の中の体験をする機会を提供することだと思う。皆さんも機会があれば、お子さん&お孫さん、若者たち、そしてご自身でも、なんでもやってみませんか?
令和4年6月吉日
悟空の里主人 金森 悟