2022年05月 日本の神話に触れる

 今年、二人の孫が小学校へ進学した。色々なことに出会い、多くのことを身に着けて成長してゆく。生まれて7年の成長である。さて、自分は7年でどうなったのか?この8月には、64回目の年輪を刻む。子供の成長に比べれば、格段にスピードは衰えているが、日々の行動を通して、まだまだ、過去経験したことのない事や人に出会い、行動できていることに喜びを感じている。

 4月に、「手長神社(てながじんじゃ)」(長野県諏訪市)の前島正宮司に出会った。諏訪市は、私が諏訪精工舎(現セイコーエプソン)への就職をきっかけに訪れ、伴侶に出会った地でもある。前島宮司は、親しくさせていただいている森田義巳宮司(「居木神社」(いるぎじんじゃ):東京都品川区)にご紹介いただいた。諏訪に在住中は、一度もお詣りしたことがなかったが、何故か神社名は覚えている。今年は、諏訪地域は、7年ごとに開催される「御柱」(おんばしら)祭りの年である。前島宮司は、御柱が立体的になる「飛び出る御朱印」を考案された。FBで拝見したが、実際、宮司にお目にかかり、御朱印をいただきたいと、日帰りで出かけた。宮司は、以前、「寒川神社」(神奈川県藤沢市)奉職時代、ボーイスカウトのお手伝い、小型船舶免許を保持されているなどの共通点があり、初対面にかかわらず話題が弾み、楽しくひと時を過ごした。

 「手長神社」、主祭神は、「手魔乳命」(テナヅチノミコト)。始めは、耳にしたこともなく??であった。

 この神様は、日本の神話「ヤマタノオロチ退治」に登場する生贄になる予定であった「櫛名田比売」(クシナダヒメ)の母親。クシナダヒメは、ヤマタノオロチを退治したスサノオの妻になる。手長神社の近くには、クシナダヒメノの父である「脚魔乳命」(アシナヅチノミコト)を主祭神とする「足長神社」(あしながじんじゃ:長野県諏訪市)もある。神話にかかわる神様を祀る神社の宮司と素敵なご縁ができたのは嬉しい。

 また、諏訪大社の主祭神は、建御名方神(タケミナカタノカミ)。「大国主命」(オオクニヌシノミコト:出雲大社の祭神。因幡の白うさぎを助けた神様)の子供である。天照大神の使いの命に服さず、力比べで負け、信濃国(長野県)諏訪湖へ逃れ、同地に静まったとされている。日本の神話に出てくる神々を祭る諏訪。住んでいた時は、関心も、興味もなく、歴史&神話をひも解くこともなかった。

 神社参拝は、初詣などで、明治神宮、日枝神社へ出かけた。渋谷区在住の際は、明治神宮に近く、境内の凛とした空気を感じながら日課のように散歩した。私自身、神社に関心を持つようになったのは、平成25年(2013年)、前出の居木神社の森田宮司とのご縁で、20年に一度、伊勢神宮で行われる式年遷宮の「お白石持ち」行事に参加させていただき、新しく建てられた神殿の脇まで入る光栄な機会を体験した。それを機に、伊勢神宮、出雲大社に始まり、神社通の知人からもご指導いただき、神社巡りをするようになった。始めは、御朱印帳を手に、御朱印集めのように回った。現在では6冊目になる。神社に祀ってある神様(主祭神)にも興味が沸く。ある会合で、出雲市の「万九千神社」(まくせんじんじゃ)の錦田宮司に出会った。出雲では、「神在月」(旧暦10月)といわれ、全国から八百万神が集まる。「万九千神社」では、出雲路における神議を締めくくり、神宴(直会=なおらい)を催したのち諸国へとお旅立ちになる。と興味深い話を聞かせていただいた。数々のご縁をきっかけに、簡略化された「古事記」を手にするようになった。

 以前は知らなかったが、身近に、東京のお伊勢さんと呼ばれる「東京大神宮」(千代田区富士見)、出雲大社 東京分祠(港区六本木)がある。みなさんも身近なところからお参りに行ってみませんか?

令和4年5月吉日
悟空の里主人 金森 悟